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年末のご挨拶

 今年は大寒波が早々にきて、各地ですでに大雪の被害もでております。みなさんのお住まいの地域はいかがでしょうか。年々異常気象を感じざるを得ず、脳脊髄液減少症の患者さんからは「いったいいつになったら穏やかに過ごせるの?」との声がよく届けられます。1分でも1秒でも、1日でも長く気候がおだやかであってほしいと願うばかりです。


あらためまして、2014年も脳脊髄液減少症全国ネットワーク架け橋の活動にご協力いただきましてありがとうございました。 今年も残すところあとわずかとなりました。みなさんにとって、どんな1年だったでしょうか。
 私が代表に就任しまして3回目の年末をむかえますが、今年は診療報酬改定でブラッドパッチ治療の保険適用が見送られ、患者さんたちの心情を思うと、言葉もありません。 そして、今ほど私たちが生きているこの社会のあり方について考えさせられた時はございません。
 当会は脳脊髄液減少症の患者会ですから、ブラッドパッチの保険適用や脳脊髄液減少症に関する諸課題について、党派をこえて申し入れをおこなっていることはご承知のことと思いますが、架け橋のホームページに「患者が病気とだけ闘っていられる社会をめざして」と記しています。 これは、脳脊髄液減少症患者・家族のみなさんが直面する問題が、社会の様々な制度や施策の壁にはばまれていること、周りからの偏見や差別に苦しめられる事が多い事、闘病のつらさ、苦しさ以外に闘わなければならないような社会そのものを考え、変えていかなければならないという思いがこめられております。


 格差社会と言われていますが、その格差社会を国が国として責任を持たないまま放置し、アベノミクスで「大企業がもうかればそのうちおこぼれがまわってくる」このような考え方で、脳脊髄液減少症はじめ、病気、難病で苦しむ患者さんたちの生活に寄り添うことができるでしょうか。 お金がないから消費税で社会保障をまかなうといいますが、消費税は所得の低い人にほど負担が重たくのしかかります。1000円に対し、もし10%になれば100円、5000円なら500円です。 この100円の積み重ねの痛みをわかる政治家がどれくらいいるのでしょうか。 今回の衆議院選挙では、このアベノミクスや消費税10%の問題が大きな争点となっておりましたが、世論調査ではこれらのことに否定的な回答が多かったにもかかわらず、結果は報道予測どおりの議席を自民・公明が獲得しました。これは小選挙区制度という選挙制度に依拠した結果であり、決して政策に対して多数の支持を得られたということではないのですが、野党の中には、「与党になれなかったら敗北」ということを言う方がおられました。


政治とは本来、国民の暮らしを支えるためにあるべきです。たとえ病気になっても、必要な医療が受けられる、必要な福祉が受けられる、国民がどんな状況になっても安心して暮らしていける、そういう社会をつくっていくことが政治の仕事であり、与党であっても野党であっても、国民の命を守ることを最優先に考えるのが政治家の仕事ではないでしょうか。たとえ困難があっても、そこを乗り越えるために知恵をだし、一致できるところでは政党の枠をこえて協力し、論戦し、よりよい社会をつくっていくのが国会の本来あるべき姿ではないでしょうか。


 地方自治体の窓口で「国の決まりですから」と相談に行った患者に言い放つということもお聞きします。特に脳脊髄液減少症では生活保護の問題や、福祉(障害福祉、介護等)の問題は地方行政が深くかかわります。そして、地方行政は私たちの1番身近な政治とかかわるところです。相談者の立場にたち、ともに解決にむけて知恵をだすことが職員の方の役割であり、国が国民を苦しめるような政治を行った時、首長、議会がしっかりとそこで暮らす人たちの声を国にあげていくことが大事な役割ではないでしょうか。
 医療現場で医師や看護師から理解のない対応をされる患者さんの声をよく耳にします。何よりも命をあずかる医療現場で患者さんがさらに追い打ちをかけられるような対応をされることは絶対にあってはいけません。医療にたずさわる現場は、患者の訴えに耳をかたむけ、命を守ること、病気で苦しむ患者を支えることが最優先に考えられる場所でなければならないのではないでしょうか。
 教育現場では、直近のものでは2012年9月5日に文部科学省から、各教育機関へ事務連絡が出されていますが、まだ脳脊髄液減少症の周知徹底が行き届かず、いまだに十分な理解を得られない現状があります。たとえ周知徹底が行き届いていないとしても、学校が子どもの苦しみに寄り添うことが大事ではないでしょうか。未来ある子どもたちが、つらい思いをかかえている時、その学ぶ権利を保障し、子どもが社会にでた時に人間不信になってしまっているようなことがないようにするのが、教育のあり方ではないでしょうか。

 「ブラッドパッチが保険適用になったら、それですべてが解決するわけではない」という患者さんからの声を頂戴したことがございますが、ここに記したことだけでなく、司法、労働、家族等脳脊髄液減少症がかかえる問題は今の社会がかかえる問題の縮図といえます。


 冒頭にかきましたように、架け橋は超党派での働きかけをしております。国会議員はじめ、行政、医療、教育それぞれにたずさわる方の中には、脳脊髄液減少症問題を初め、ここに述べたようなことを乗り越えるためにがんばって力をつくしている方がおられることも活動を通して知っています。来年はこれらのつながりをさらに広げられるよう、脳脊髄液減少症について申し入れを行うと同時に、今後は今まで以上に、社会の問題もしっかりと見据えながら、取り組まなければならないという思いです。
 架け橋は決して大きな患者会ではございません。ご存じのとおり会費は無料で、すべての活動は手弁当で行っている会です。脳脊髄液減少症と闘病しながら、家族を支えるために奔走しながら、日々の生活のために働きながら、患者・患者家族会員、支援会員それぞれの立場でできることを取組んでいる会です。その点をご理解いただき、会員のみなさん「架け橋のホームページ」をご覧になっている皆様の協力なしには成り立たない会です。 脳脊髄液減少症をとりまく現状は決して平坦なものではありませんが、脳脊髄液減少症の問題が一歩でもすすむように、常に社会の現状を勉強しながら、役員一同、来年もみなさんとともに歩んでまいる所存です。  長々と書き連ねてしまいましたこと、お詫び申しあげます。  大変寒さ厳しき折り、どうぞお風邪など召されませんよう、年末をお過ごしください。
  来年も「脳脊髄液減少症全国ネットワーク架け橋」をどうぞよろしくお願いいたします。

脳脊髄液減少症全国ネットワーク架け橋
代  表・石田 千絵
代表代行・原田 玲子
役員一同

平成26年12月28日


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